白昼に道路が鳴り響く。

こんな猛ダッシュをするのは幾年ぶりだ。
精一杯力を込めているのに膝が笑う。
もっと速く走らなければならないと思うが、なかなか力が入らない。
ズキズキと心臓の鼓動が体全体を覆う。
速度を増すために拳を握った腕をめい一杯振るった。
腕と脚の動きがアンバランスだ。

道行く人々から穴が開くような視線を付きつけられた。

(なぜ、俺は走っているんだ? 逃げれば逃げるほどやばいだろ?)

いつまで走り、どこへ行けばよいのだ……。